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元気な高齢社会を創造する会社 〜らくらとお客様が紡ぐ物語〜エピソード3

エピソード3:介護付き有料老人ホーム花ごよみ 施設長 中村 つぐみさん
最後の場所がここで良かった 花ごよみのお話

「最後の場所が、この花ごよみで良かったです。花ごよみを選んで良かったです。」
斉藤様(仮名・女性)のご家族様がおっしゃった言葉は、今も中村さんの心に刻まれています。

昨年の11月、斉藤様は急な発熱がきっかけとなり、食べることも飲むことも難しくなりました。
医師からあと4~5日と残りの時間を告げられたこと、百歳も目前ということもあり、ご家族様は最後の日を覚悟され葬儀会場の手配など準備を始めます。

この頃から、いわゆる「看取り」(近い将来、死に至ることが予測される方に対し、身体的・精神的な苦痛などをできるだけ和らげ、死に至るまでの期間を日々充実して過ごせるように、心をこめて終末期の介護を行うことです。)が始まりました。
ご家族様は、悔いを残さないようにと毎日交代で花ごよみに泊まり込み、昼夜を問わず一緒に過ごすようになりました。

花ごよみの職員もまた、全力で斉藤様の介護に取り組もうと、たくさん話しかけ、時には冗談を交え、斉藤様が笑顔になられた時には、できる限りお好きなジュースやバナナなどをすすめてみるようにしました。
すると、斉藤様は嬉しそうに一口、二口と食べて下さるようになったのです。
数日しか一緒にいられないと覚悟していたご家族様は大変喜んで下さり、その様子を動画にして家族間のLINEで共有したほどです。

看取りに入ると、食事が食べられなくなってから1週間~10日ほどで亡くなられる方も多いなか、斉藤様は「おはよう」と挨拶をしたり、職員の呼びかけに手を握って応えられるなど、「本当はもっとみんなと一緒にいたい」という気持ちがひしひしと伝わってくるようでした。
亡くなる直前までご家族様や職員と言葉を交わし、発熱後の栄養不足が原因の褥瘡もみるみる回復していく斉藤様の姿に、ご家族様は望外に長く一緒にいられる喜びを噛みしめておられました。
医師も「まるで奇跡のようだ」と驚き、ご家族様も花ごよみの職員もその奇跡を感じ、そして信じました。

今年の元旦、斉藤様を囲みご家族様全員で写真を撮りました。
それが最後の家族写真となりました。

1月9日、ご家族様全員に看取られて斉藤様は穏やかに旅立たれました。
その日、中村さんの顔を見るなり涙をこぼされたのは、お別れを感じていたからなのかもしれません。

「最後の場所が花ごよみで、ここを選んで良かったです。私たちが、もうダメだと思ったことにも諦めずにチャレンジしてくれました。母は幸せだったと思います。私たちが望んでいた以上の事をしてくれて本当に感謝しています。」
ご家族様のこの言葉は、中村さんや花ごよみの職員がご家族様と気持ちを共有し、最後のその時まで二人三脚で斉藤様に寄り添い、諦めずに力を尽くした結果だと思います。

「お看取りをするたびに、今日は元気でも明日はどうなるのかは誰も想像がつきません。1日1日、1分でも1秒でも時間を大切に使い、後悔のない毎日を過ごさなければいけないと思っています。」と、中村さんは言います。
そして、教えてくれました。私たちは最後まで諦めてはいけないのだと。

お客様が穏やかに最後の1日まで笑顔で暮らせるようになることで、ご家族様も、らくらの職員も皆が幸せな気持ちになれます。

人生のセカンドステージにもっと華を!