らくらグループ
2018年3月16日 News
エピソード4:住宅型有料老人ホームらくら砂川 施設長 那須 静江さん サービス提供責任者 荒木まり子さん1歩が2歩に 佐藤様の奇蹟 らくら砂川のお話
「この施設を選んで良かった!涙が出るほどうれしかった!」佐藤様(仮名・女性)の担当ケアマネジャー葛西さんの一言は、らくら砂川に対する紛れもない賞賛の言葉でした。
佐藤様は、膀胱ガンが原因でウロストミー(腎臓で造られた尿を体外に出すために作られる人工膀胱のことであり、尿路ストーマとも呼ばれています)を装着しています。一人暮らしをしていましたが、転倒してから歩けなくなりベッドで寝ていることが多くなりました。うつの傾向もあることから、次第に自宅での生活が難しくなっていきました。そんな佐藤様の状況を少しでも改善したいと思い、葛西ケアマネジャーは「何とか早急に対応していただきたい」とらくら砂川に依頼をされ、急きょ昨年12月末に入居することが決まりました。
入居された頃の佐藤様は特に手指の震えが強く、食事も自分では上手く食べられません。歩くこともできず、車いすへの移乗や移動、着替えや洗面、ウロストミーの交換もできないなど日常生活のほとんどが自立できていない状況でした。旭川に住む息子様は佐藤様をとても心配され、らくら砂川へ通われる毎日が続きました。その頃の佐藤様の口癖は「何もできなくて...。」
それでも佐藤様は「少しでもいいから、自分の事くらい自分でできるようになりたい。」との強い思いがありました。荒木さんもらくら砂川の職員もその思いに応えようと試行錯誤の連続の中、車いすへの移乗時に少しだけ車いすをベットから離し、一歩だけ歩かなければならない状況をつくってみました。すると佐藤様はゆっくりと一歩足を踏み出し、ご自身で体の向きを変え、車いすに座ることができたのです。佐藤様もらくら砂川の職員も、喜びに震えたその一瞬を必ずや忘れることはないでしょう。
それからは1歩が2歩となり、2歩が4歩となり、ついにはベッドサイドからトイレへと歩行が可能な状態になりました。見守りは必要ではありますが着替えや洗面も自分でできるようになり、嚥下機能が向上したことで食事はキザミ食から普通食に変わりました。できることが増えた佐藤様の喜びは大きく、ひな祭りの際には自ら進んで歌を歌われるなど、らくら砂川での生活が次第に楽しくなってきたことが手に取るように伝わってきました。なによりも佐藤様のこぼれるような笑顔は、職員の胸を熱くしてくれました。
ある日、葛西ケアマネジャーがらくら砂川にいらっしゃり、驚きの声をあげました。「佐藤さんにいったい何をしたの?あんなに何もできないって悲観的な事ばかり言っていたのに、あの笑顔と体の動きはどういうことなの!」と。そして、「この施設を佐藤さんのために選んで良かった!涙が出るほどうれしかった!」と泣いて喜ばれたのです。
荒木さんが「やったー!」と心から思えた瞬間でした。訪問看護や介護など、らくら砂川のスタッフから集まった情報とその共有があったからこそ、佐藤様に対して必要なことを共に考え取り組めた、その結果だと荒木さんは嬉しさを噛みしめます。那須さんもまた、「このような思いができるから、私たちはこの仕事を続けている」と実感したのでした。
お客様が穏やかに笑顔で暮らせるようになることで、ご家族様も、らくらの職員も皆が幸せな気持ちになれます。
人生のセカンドステージにもっと華を!